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椅子に座ったことのある人たちの意見書

■椅子に座ったことがありましたか。私にはありますね。椅子には二種類ほどありますが、やわらかいタイプと、そうでないタイプ、どちらも性に合わないと感じたら座らないことをお勧めします。
■それとも座ったことがありませんでしたか。俗に言う“ソファーベッド”は家具屋やホームセンターなどで購入することが出来ますが大抵の人間は椅子に座ったことがないと思われます。なぜなら大抵の人間は床に手をつくとき手の甲には怪我をしません。このように椅子に座る人間は限られてきました。
■今まではそうでもこれからはお金がかかる時代ですよね、椅子に座るにも、椅子を壊すにも、多少の出費は免れません。しかし私のようなものが椅子に座るとなると、金銭的にも援助してくれる団体などがありますので、実際には格安で座れるんでしょ、と疑う方もおりますか。
■椅子などは全くもって無用の長物です。椅子などに腰掛けるときあなたは右足を左足の上に乗せます。このような行動は行動学的にみて異常とはみなされません。安心して足を組みます。そう、それがまずいのです。実にまずいです。やばいですよ、あなた。ついに椅子に座ってしまったのですね。
■地球の歴史上椅子に座ったことがある人は2人いるとも3人いるとも言われます。椅子にはベッドのようなスプリングタイプと畳のようなナチュラルタイプの四種類があると座った人は口をそろえて言いますが、これは所謂言いがかりに過ぎず、実際のところ椅子に座ったことのある生物などいませんでした。
■今まではそうでした。これからはお金も地位も立場も省みずに座ったことのない椅子を床の上に放置することが許されますので、早いうちに役所に申請してください。私もしました。印鑑や住民票などがいります。人によっては表情別に小袋につめたスナップ写真なども要求されることがあります。せっかくの笑顔も椅子に座ったら台無しなのでこれらを忘れないようにしましょうね。
■さて、結局のところ私たちはどうすればいいのでしょう。椅子に座るのか、さもなくば家に帰るのか。家はあるのか、そしてその家には椅子はあるのか。椅子に座るのか、椅子を除けて床に座るのか。床はあるのか、もしくは穴があるのか。穴に椅子は入るのか。椅子の中に座るのか。それらがはっきりしないうちは安易に結論を出さない方が身のためでしょうね。椅子はいつもやさしいとは限りません。“座ること”に至ってはやさしくない事の方が多いのです。そうと知っても座ったことがあると言い張るなら私は何も言いません。それがあなたの出した結論なのですから。
■椅子には、“座ったことのあるもの”と“まだ座ったことのないもの”と“これから座る予定のもの”の三種類があるとお思いでしたか。だとしたらこの世界なんて私にとっては何の関係もないものですよ、素早く処分しましょう。時代に取り残されないためにも。椅子は待ってはくれないでしょう?
■…ああ、本当に良い椅子でした。

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